軍艦島 其ノ五
何も無い廊下だ。
廊下に残骸が落ちていない所を見ると窓は予め取り外されたのだろうか。
場所:三十一号棟廊下
そのまま廊下から部屋に入りベランダを抜けて外に出た。
左手が先ほど進入したアパート。
この辺りの地面は瓦礫の山で埋もれている。
場所:住居区西部
先ほどのアパートの近くにあった階段を昇り別のアパートに入ってみると酒場があった。
当時はどれほど賑わっていたのだろうか。
場所:三十号棟の酒場
酒場の裏の通路を進むと厨房があると思いきやそこは住居だった。
見るも無残に荒れ果てている。
場所:三十号棟
お風呂場があった。
小さな浴槽だが共同浴場が主流だった軍艦島では個別のお風呂はとても贅沢なのだ。
場所:三十号棟の風呂場
瓦礫を越えてひたすら道を進む。
場所:住居区通路
左手にも何か建物が建っていたと思われるが完全崩壊しているようだ。
場所:住居区通路
コンクリートやガラスの破片、瓦礫の中で頑張って咲いている花を見つけた。
場所:住居区通路
ここは共同浴場だ。
毎晩、人で溢れ返っていたのだろう。
水不足の時は海水を使用したと言う。
場所:共同浴場
潮風で錆び尽くされた郵便受け。
場所:郵便受け
ここは通称、端島銀座。
露店が並び多くの人で賑わった。
毎日が祭りのような場所だったのだろう。
場所:端島銀座通り
このアパートは端島小中学校の横にあった六十五号棟だ。
軍艦島で最も大きな建物である。
コの字型の建物で視界を全て包み込むその圧倒的な存在感に息を呑んでしまう。
これほどの規模の廃屋は滅多にお目に掛かる事ができないだろう。
屋上には端島幼稚園跡が見える。
場所:報国寮(六十五号棟)
ありとあらゆる場所から隣接する建物への橋が架けられている。
便利なような厄介なようなとても微妙だ…。
場所:住居区通路
日当たりもへったくれも無いほど隣接して建てられている。
この先は軍艦島の象徴とも言える地獄段がある。
場所:住居区通路
中央に見えるのが地獄段である。
地獄段はアパートの中を突き抜けて丘の上の神社まで続いている長い階段だ。
その恐ろしい長さから地獄段と名付けられた。
誰かが転落して死んだと言う話は聞かない。
しかし神社に続く道を地獄段とは…何とも恐れ多い。
場所:地獄段
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